因数分解の基礎 6/4(火)
乗法公式を利用した因数分解について
乗法公式は3つしかないので覚えてください。
①a²-b²=(a+b)(a-b)
②a²±2ab+b²=(a±b)²
③x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
文字だけだと分かりにくいので、具体的な数字に置き換えて説明しますが、大前提として式を見てどの公式を使うのかは①から確かめていくようにしましょう。
まず、9a²-16 のように何かの2乗-2乗の形になっていれば①を使います。もっと簡単に言うと項が2つのときは①を使います。
9a²は3aを二乗したもので、16は4の2乗です。あとは出てきた数字を( )の中に放り込んで、真ん中の符号を+と-にするだけです。(3a+4)(3a-4)
練習問題
(1)25a²-36
(2)4a²-64b²
(3)49x²-81y²
次に項が3つある場合は、まず②のパターンを考えて、②が使えなければ③を使います。
項が3つあるときは、前と後ろの項に着目して、何かの2乗になっていないか確認しましょう。
2乗になっていなければ、その時点で②の可能性はないので、③で考えます。
例えば、x²+8x+16は前の項はxの2乗、後ろの項は4の二乗になっていますが、この時点で②と判断するのは早計です。
もう一つ、確認することがあります。何かの2乗になっている数(今回であればxと4)をかけてさらに2倍した数が真ん中の項と一致しているか確認します。
そうすると8xと8xで一致しているので、2乗になっている数を順番に( )²の中にいれます。真ん中の符号は元の式(x²+8x+16)の真ん中の項(+8x)に一致させます。つまり、(x+4)²
もし、x²-8x+16であれば、(x-4)²となります。
練習問題
(4)x²+10x+25
(5)x²-16x+64
(6)4x²-24x+36
項が3つで②にあてはまらないときは③のパターンです。
例えば、x²+5x+6 このようなときは、足して真ん中の数(+5)、かけてうしろの数(+6)になるような2組の数を探しましょう。今回であれば、2と3です。2組の数が見つかれば、(x )(x )の空いているところに放り込んでください、
つまり、(x+2)(x+3)になります。
x²+10x+16のように前と後ろの項が何かの2乗になっていても、その2数の積に2をかけた数が真ん中の項と一致しなければ③の公式を使います。つまり、かけて16、足して10になる組み合わせです。(x+2)(x+8)
また、x²+20x+96のように数が大きくてすぐに2つの数が見つからないときは、かけて96になる組み合わせを1から書き出していくと良いです。(1、96)、(2、48)、(3、32)、(4、24)、(6、16)、(8、12)出てきました。8と12はかけて96,足して20になるので、x²+20x+96=(x+8)(x+12)です。
練習問題
(7)x²+7x+12
(8)x²-7x+10
(9)x²-3x-54
(10)x²+19xy+88y²
因数分解は高校数学でもずっと出てくるので、しっかり対応できるように練習していきましょう。
解答
(1)25a²-36=(5a+6)(5a-6)
(2)4a²-64b²=(2a+8b)(2a-8b)
(3)49x²-81y²=(7x+9y)(7x-9y)
(4)x²+10x+25=(x+5)²
(5)x²-16x+64=(x-8)²
(6)4x²-24x+36=(2x-6)²
(7)x²+7x+12=(x+3)(x+4)
(8)x²-7x+10=(x-2)(x-5)
(9)x²-3x-54=(x+6)(x-9)
(10)x²+19xy+88y²=(x+8y)(x+11y)