令和6年度鳥取県立入試 国語 3/11(月)
今日は国語の分析です。
問題一は小問集合です。
問一は漢字の読み書きでした。
(4)以外は難しかったと思います。特に(3)の「専ら」は読み問題でも正答率は低くなるでしょう。
県立入試の初っ端の教科は国語です。その最初の問題はもう少し「なんとかなりそう」と希望を与えるようなレベルにしてほしかったです。
問二は「体」という字を漢和辞典で調べた意味が説明されていて、「体裁」という熟語に使われている「体」の意味を答えるというあまり今までにはなかった問題形式でした。
体裁が悪いなどのように使われることを知っていれば、答えられてたと思います。
問一もそうですが、たくさん本を読んできた人は対応できたと思います。読書と国語力は別物と考える人もいますが、個人的には読書量と国語の力(語彙力や読解力)の相関は高いと思うので、小さいときから読書をする習慣を身に着けてもらいたいです。
問三は平仮名の「の」を書くときの筆使いとして最も適切なものを選ぶというものでしたが、すみません、これは分からないです(*_*)
問四(1)は「見てください」を尊敬語に直す問題でした。答えは「ご覧になってください」でした。
(2)は修飾・被修飾の問題です。この形式の問題はまず、文全体を文節に区切って考えることがポイントになります。
問五は今年も出ました、漢文の返り点の問題です。自分で返り点をつけるパターンの問題形式だったので、少し難易度は高いですが、レ点を使って正しく答えることができたでしょうか。
問題二は小説文です。主人公の高校2年生の「わたし」が登校中にトラブルに巻き込まれ、その場に偶然に居合わせた同じ学校の2年生の菊池さんに助けられます。本文は登校後面談室で事情を聴かれて面談室を出た後の場面です。
小説文のポイントは登場人物の心情です。今回も7問中5問が心情に関する問題でした。
問一は「すとんと胸に落ちた」と同じ表現を選ぶ問題でした。直前に「斬新の意味は理解できなかったが」とあるので、言葉は知らなくても言葉の意味は理解出来たというような意味になることが分かります。
問二は下線部直前の父のセリフの内容から、母の心情を読み取ることができたはずです。
問三は心情を記述する問題ですが、これも「だから驚いた」の部分に傍線が引かれているので、「だから」の前に理由が書いているので、その部分をまとめれば解答できます。
問四も心情を問う選択問題です。「頬が熱くなる」「幻の手でぶたれたみたいだ」と二カ所に傍線が引かれているので、それぞれに対応する選択肢を探せばすぐに見つかると思います。
問五も心情問題です。取り返しがつかないとありますが、具体的にどうなることかを説明する記述問題です。取り返しがつかないということは「わたし」にとってはマイナスのことです。そこに着目すると「それは嫌だった」とあるので、それの部分を具体的に答えると〇になります。
問六も心情記述問題です。「ふわっと、心が浮く」という表現に傍線が引いていますが、これはプラスの表現で、嬉しい気持ちを表していると読み取れるので、直前から何に対して嬉しく思っているかを考えると答えられたのではないでしょうか。
問七は本文の表現で適切でないものを選ぶ問題です。英語は消去法が有効ですが、国語はいきなり正解の選択肢を探していきましょう。
「イ」の選択肢は「擬音語を繰り返し」とありますが、2人の会話は様子を描写している場面に擬音語は使われていないので、この選択肢が正解と判断できます。
問題三は論説文です。論説文は筆者の主張に着目して読むようにしましょう。
問一は表の空欄を埋める問題です。コンパクトシティを志向する目的はヨーロッパと日本ではどう違うのか、に着目して本文から抜き出す問題でしたが、そんなに難しくはないと思います。論説は二項対立の形式が多いことも押さえておきましょう。
問二は傍線部の理由を選ぶ記号問題でしたが、同じ段落にしっかり正解の根拠が書いています。具体的には~の「~」が根拠となります。
問三は抜けている一文が入る適切な箇所を選ぶ問題でした。[B]の直後の段落は逆接の「しかし」で始まっていますが、aしかしbのbの内容とaの内容が反対の内容になっていないですし、bの内容と抜けている一文の内容を考えると、逆接の関係になっているところから、正解は[B]になることが分かります。
問四は図1と本文の内容を照らし合わせて考える問題ですが、わかりやすい問題だったと思います。たまに図が与えられている問題がありますが、図は問題を解く重要な手がかりになるので、文章だけに一生懸命になって図をおざなりにしないように気をつけましょう。
問五も図問題です。これまでの「 」というコンパクトシティの概念の中に、これまでなかった「防災」という観点を入れました。とあり、この内容が図でまとめられています。「 」に入る言葉を図の中から抜き出しなさいとありますが、図を見てください。図の真ん中に「コンパクト+ネットワーク」と目立つようにありますよね。さらに、「防災」の部分からこの「コンパクト+ネットワーク」に向受けて⇒が伸びています。
これに気づけた人はすぐに答えられたと思いますし、難しく考えてしまった人は袋小路に入ってしまったのではないでしょうか。
問六は筆者の主張を六十字以内で記述する問題です。筆者の主張は最終段落にあることが多いです。今回も最終段落だけに着目するだけでも、それなりの解答は作れたと思います。記述は部分点もあるので、完璧ではなくても答えの一部でも何か書くようにしましょう。
問題五は古文でした。小説は論説は設問ごとに解いていく方法がベターだと思いますが、古文は先に本文を読んでしまってから問一から解いていく方法で良いと思います。
問一は歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題が2年ぶりに復活していました。昨年度は現代仮名遣いに直す問題の代わりに古語の読み方を答える問題が出ていました。今年もその傾向が続くかと思いましたが、元に戻りましたね。
問二は傍線部の内容の意味を答える選択問題でした。話の流れと直後の「自分のものにしたい」という現代語訳から答えが分かったと思います。
問三は係り結びの問題でしたが、入試直前に係り結びについてしっかり説明したところがそのまま出ました。ですので、うちの生徒達は正解できたはずです。あと、係り結びの問題は「こそ」が答えになることが多いことも覚えておくと良いです。
問四も話の大まかな流れを掴めていれば、決して難しくはなかったと思います。
問五は「恐ろしき心」と同じ内容を指す語句を抜き出す問題でしたが、「~心」の部分は本文中に「腹黒なる心」しかないので、これも簡単だったのではないでしょうか。
問題五は「話し合いの一部」からそれぞれの意見を読み取ったりするよく出るパターンの問題で、最後は作文です。
問一は登場人物のAさん、Bさん、Cさん、Dさんの中からMCは誰かを答える問題でした。簡単でしたね。
問二はDさんの発言の特徴を選択する問題でしたが、Dさんのセリフの前半部分「そうですね。~かもしれません。」からそれまでの友達の意見を整理していることが読み取れます。また、後半部分の最後「~発表しませんか。」というところから自分の考えを提案していることが読み取れますね。
問三は作文です。「あなたの生活において、『芸術』とはどのようなものか、条件にしたがってあなたの考えを書きなさい。」というものでした。芸術という抽象的なことを考えるのは難しいですよね。
身近にある芸術、例えば音楽などに置き換えて考えてみればまだ書きやすかったと思います。あとは、映画やアニメ、漫画なども芸術と考えても全然ありだと思います。
ですので、何を書いたら良いかわからないときは、自分の得意なものに置き換えて考えてみる、これは作文だけでなく生きていく中で色々な場面で使えます。
さて、総論ですが今年度の国語は問題一と作文が難しかったものの、他はだいぶ易しめに作成されているという印象です。
平均点はかなり高めで32点と予想します。